NO.256 10月2日【木】=ソニーがディズニーを超える日=

おはようございます。
トランプ関税に翻弄され、ウクライナや中東での紛争の激化、中国、ロシア、北朝鮮と日本を取り巻く安全保障環境の深刻化、そして安定しない国内政治など、日本の現状や将来になかなか希望が見いだせないなかで、躍進を続ける日本企業があります。年初来の株価上昇率が29.29%と大きく伸びた結果、ソニーの時価総額は26兆1900億円に拡大していると言います。エンタメコンテンツビジネスにおける世界の巨人、ウォルトディズニーの時価総額が約2040億ドル(約30兆円3538億円)で、同時期の株価上昇率が2.39%といいますから、ディズニーに追いつけ追い越せという勢いで、ソニーの躍進が注目されています。

ソニーの躍進を支えているのは、世界中で大ヒットを記録しているアニメ「鬼滅の刃」に代表される映画コンテンツや、ゲーム、音楽事業で着実に成果を積み重ねてきたことが、企業の価値を大きく伸ばしていると言えます。ディズニーも1990年代以降、「トイ・ストーリー」などを持つピクサーをはじめ、数多くの買収を行い、コンテンツポートフォリオを拡充してきました。そうした戦略が次第に身を結び、ディズニーはコンテンツビジネスで成長を続けてきました。そのディズニーの戦略を参考にしながらも、ソニーは買収よりは、自社コンテンツの創出に磨きをかけてきたと、専門家は分析しています。

そしてそれを可能にしたのは、日本のコンテンツ産業に相応の競争力があったからに他なりません。いまや日本のアニメ、ゲーム、音楽産業は世界中の若者を虜にする最強の輸出産業に成長しており、さらに昨今のインバウンド(訪日外国人)の急増がよりその成長を後押ししている構図になっています。数字で見ても、2011年以降日本からのコンテンツ輸出は1.5兆円から5.8兆円と4倍にのびています。同時期の自動車輸出を見ても、11.5兆円から21.6兆円に増えていますが、その伸び率は圧倒的です。コンテンツ産業の輸出成長率は、過去10年でアニメが年率14%、ゲームが同16%、映画などの映像分野が同20%を超えていると言います。

ソニーに限らず、日本のエンタメコンテンツ産業は、電化製品や自動車といったこれまでの輸出産業の主役に、まさにとって代わる日本経済における大きな推進力になると期待できます。アニメ、ゲーム、音楽、そして映像といったコンテンツが世界に発信されることは、日本の文化や習慣、生活様式などがこれらを通じて世界に伝えられることにもつながり、世界の日本に対する理解や共感が促進される効果も期待できます。特に若い世代に対して、新しい共感や連帯が生まれれば、一部の権力層が自国や自らの権益をめぐって争うような世界から、お互いを理解しあい国や主義を超えて共感しあえる世界に変えて行けるのではと期待します。そしてその新しい世界の潮流が日本を起点に流れ始めているとすれば、こんなに誇らしいことはないと思います。

今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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