NO.255 10月1日【水】=第80回国連総会②=

おはようございます。
昨日からの続きです。第二次世界大戦の教訓から国際間の紛争・戦争を未然に防ぐためのしくみとして設立された国際連合ですが、80年という節目の総会で、140の国々の首脳が一般討論演説という形でスピーチを行いました。なかでも米国トランプ大統領の演説は、持ち時間15分を無視して1時間以上にわたり自論・自慢を展開し、ニュースなどでも大きく取り上げられ話題になりましたが、その陰でわが日本の代表として参加した、石破総理の演説は、大変注目に値する素晴らしいスピーチであったと思います。

国連のあり方、機能不全を起こしている状況を批判する場面もありましたが、トランプ氏とは対照的に、その要因をしっかりと分析し、いかにすればこれを改善し本来の国連としての機能を発揮し国際平和を実現できるのか、前向きにそして日本が果たすべき役割も明確に示したうえで、安全保障理事会の改革を断固として訴えたところは、本当に溜飲が下がる思いでした。

ロシアによるウクライナ侵略や、イスラエルによる攻撃が続く中東情勢など世界の安全保障環境は急速に悪化しています。また、東アジアでも中国が日本海や台湾周辺海域で軍事活動を繰り返し、北朝鮮は核・ミサイル開発を続けていると名指しで批判しました。石破総理は「戦争の惨禍を決して繰り返さない」と不戦の重要性を唱えます。国連安全保障理事会の改革が必要だと主張し「演説をしている今この瞬間も人々の命が失われていることを強く認識しなければならない」と呼びかけました。

さらに、パレスチナ問題については、今回の国連総会でイギリス、フランス、カナダがG7として初めて国家承認を表明しましたが、多くの国がこれに追随しています。石破総理はこの中東情勢をめぐっても、パレスチナの国家承認について「『するか否か』ではなく『いつするか』の問題だ」と述べ、イスラエルが「二国家解決」への道を閉ざすさらなる行動をとる場合、承認する可能性を示唆しました。これは日本政府の現在の公式見解よりもさらに踏み込んだ発言として、評価に値すると思います。そして最後に、日本は戦後、アジアの人々の寛容の精神に支えられ、世界の恒久平和の実現に力を尽くしてきたと振り返り「分断よりも連帯、対立よりも寛容を」と述べ、日本はこれからも国際社会とともに歩んでいくことを強調しました。

同盟国である米国への配慮は保ちながら、しかし国連安保理がかかえる常任理事国の問題点を指摘し、その改革を断固要請するなど、歯に衣着せぬ発言と、アジアの国々に対する連帯を演説の端々に言葉としており込んだ内容は、核なき世界を希求し、国際平和の実現に対する強い思いが感じられる素晴らしいスピーチであったと思います。石破総理の外交安全保障に対する意思は、ぜひ次の総理総裁にも受け継いでもらいたいと感じました。

今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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