おはようございます。
秋の味覚と言えば、栗やきのこ、ぶどうなど、さまざまな食材が思い浮かびますが、今年は数年ぶりにサンマの豊漁が伝えられ、スーパーなどの鮮魚コーナーには、大ぶりで新鮮なサンマが昨年に比べれば半値程度のお手頃価格で並んでいます。さらに福島県の相馬では、スルメイカも昨年を大幅に上回る豊漁でにぎわっているようです。海のダイヤとも言われるマグロも今シーズンは豊漁が続いており、漁業関係者はこの数年の不漁続きを一気に取り戻す勢いで、活気を取り戻しつつあります。
突然の豊漁に沸く水産業界ですが、その原因は日本近海を流れる黒潮にあるとされています。黒潮とは、日本の南海上を西から東に流れる暖かい海流ですが、時折大きく蛇行する現象があり、これを「黒潮大蛇行」と呼びます。海流の蛇行は、その流量の変動や、太平洋上を吹き渡る偏西風、貿易風の強さや位置関係によって引き起こされると言われていますが、実際のところ詳しいメカニズムまでは完全に解明されていません。しかしながら、黒潮の蛇行により、海水温が低下する場所、上昇する場所が発生し、釣れる魚種が大きく変わったり、潮流の不安定化により釣果が読みにくくなる状況が続きます。また、猛暑やゲリラ豪雨といった異常気象の原因の一つとも考えられています。
その黒潮の大蛇行は、実は2017年夏から続いており、過去最長の継続期間でしたが、これが昨年頃から徐々に本来のルートへと戻りつつある兆しが確認され、今年の春ごろからは黒潮が南から北へ再び勢いよく流れ始め、紀伊半島沖での蛇行が縮小しているのです。その結果として、各地の漁場が本来の姿に戻ってきていると推測されています。しかし黒潮の蛇行は過去にも繰り返し発生しており、周期性があるとも言われています。今後も再発の可能性はゼロではなく、気象・海洋データの継続的な監視が重要と言いますから、漁業関係者はまだまだ安心できないと言います。そしてこの大蛇行には地球温暖化も影響していると考えられており、今後も頻発する可能性が指摘されています。
海流の蛇行やルートの変動は、水産業に大きな影響を与えるだけでなく、大気の流れにも影響します。黒潮の蛇行が終われば、夏の高気圧の位置が安定し、猛暑日や局地的豪雨の発生がやや落ち着く可能性もあるといいます。私たちの食卓6のみならず、日々の生活全般に大きな影響がある海流の変動ですが、これも大元をたどればやはり気温の上昇が招く気候変動の結果なのだと言えそうです。気候変動を詐欺だと言い切る国家のリーダーもいるようですが、これは私たちの日々の生活に現実に起きている事実であり、人類が協力して取り組むべき大問題であると考えます。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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