おはようございます。
生活習慣病の予防には、適度な運動と睡眠、そしてバランスの取れた食事と言われますが、毎日欠かすことのできない食事の習慣について、栄養面はもちろん、その回数や時間も非情に重要な要素とされ、ただ必要な栄養とカロリーが取れれば、それでよいということではないようです。
東京女子医科大学の大塚邦明教授は、脈拍や呼吸、睡眠はもちろん、細胞分裂やたんぱく質の製造まで、人体はさまざまなリズムにしたがって「いつ」 「何を」おこなうかを精密に決めており、そのリズムの乱れが、健康を害する引き金になっているといいます。時間とカラダの関係、生活のリズムや体内時計、さらに時計遺伝子やカレンダー遺伝子などという仕組みも明らかになりつつあり、食事もただ栄養を摂ればよいのではなく、時間とタイミングを考えた食事法が大切と言います。以下大塚先生の著書「時間治療 病気になりやすい時間、病気を治しやすい時間」(講談社)からの一部抜粋です。
1日に必要な栄養素を1食の食事で賄う、1日1食という生活習慣は、果たして健康にどう影響するでしょうか。2007年、アメリカ・ボルティモアのカールソン医師らは、同じカロリーの食事を1日1食でとった場合と1日3食に分けてとった場合とで、血糖等への影響がどうなるかを比較しました。1食しか食べない人は、3食の場合に比べて空腹感が倍増し、血糖値が高くなりました。糖尿病を患っている場合には、症状が悪化することも報告されています。食事の回数が1日1回の場合は、いわば「24時間の断食後に食事をとる」ことに相当します。断食中は血糖値が低く、断食後の食事ではそのリバウンドで一時的に血糖値が上昇し、「血糖値スパイク」という状況になってしまいます。すると、血糖値スパイクを抑えるためのホルモンであるインスリンが過剰に分泌され、こんどは血糖値が下がりすぎてしまいます。この高血糖と低血糖の繰り返しが、脳卒中や心筋梗塞の要因になってしまうことがあるため、きわめて危険な状態です。
反対に、1日に何度も食事をとる習慣のある人の場合はどうでしょうか?食事の回数が1日5食以上の場合は、一日中だらだらと食事をすることになってしまい、体内時計が乱れる原因となってしまうからです。多食によってコレステロール値が低く、肥満も少ない人がいたとしても、将来的に脳梗塞や心筋梗塞などの合併症を起こしやすくなることが危惧されます。2008年のスウェーデンのカロリンスカ研究所の報告によれば、規則的な食事をとる習慣には糖尿病の予防効果が認められました。一方、不規則な食事習慣を続けていると、16歳から43歳になるまでの27年間の追跡調査では1.74倍の高率でメタボリックシンドロームになってしまうこと、60歳からの20年間の追跡調査では脳梗塞や心筋梗塞になるリスクが1.74倍高かったことが報告されています。
時間栄養学の立場からは、1日3食がおすすめということになります。では、食事の時間とタイミングについては、どうでしょうか。先ほど「食事の回数が1日1回の場合は、いわば24時間の断食後に食事をとることに相当」すると指摘し、その弊害を紹介しましたが、断食の仕方によっては良い効果を生むことがあります。その一例が「プチ断食」です。プチ断食については、明日また詳しくお話したいと思います。
今日も一日頑張って行きしょう。
よろしくお願いします。

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