おはようございます。
日本人の平均寿命が世界トップレベルになり、人生100年時代と言われて久しいですが、私たちの平均寿命が50歳を超えたのは1940年代で、ごく最近のことです。人間50年と歌った織田信長の時代からついこの間まで、500年以上のあいだ、私たちの一生は50年という尺度で考えれば事足りていたのです。しかし戦後のたった80年で日本人の平均寿命は30年以上も延びました。100歳を超えて生存するお年寄りの数は、全国でなんと10万人に達しようとしています。人生100年時代の到来です。
寿命が延びる一方で、私たちの身体はどのように変化してきたでしょうか。人間はサルから進化し、類人猿となり、人類になったというのが進化論の考え方です。自然科学的にはそれが真実であろうと私も思います。環境や生活状況に適応して変化することで、生物は何十億年もその命をつないできたと考えられています。そしてその進化は命が続く限り現在進行形であります。
では寿命が延びたのは人間が進化した結果なのでしょうか。確かに、生活環境が変わり、特に栄養状態や衛生環境が劇的に向上したことで、日本人の体格や身体的特徴はずいぶん変化したことは事実です。この変化(個体レベルの変化)が遺伝子の中に組み込まれ、日本人という生物種の特徴として子孫に受け継がれ、その結果従来より種の存続に有利に働く因子となれば、それは進化と言えるかも知れません。しかし、進化の結果として日本人は劇的に長生きができる強い身体を得たと考えるには、時間軸が短すぎます。遺伝子レベルの変化が種全体に伝わるには、何世代にもわたって交配が繰り返される必要があります。
日本人という限定された人種の集団で考えても、ある遺伝子が集団全体の特徴として定着するには、百年単位では絶対に不可能です。数万年もしくは数百万年という気の遠くなる時間の積み重ねが進化の時間軸には必要なのです。先の問い、寿命が延びたのは進化の結果なのかに対する答えはNOです。この間私たちの身体は基本的には変っていません。織田信長も、おそらく聖徳太子まで遡っても今の日本人と遺伝的にはほぼ同じ身体的な特徴と能力を備えていたと考えられます。(幻冬舎刊 「免疫ミルクをご存じですか」の第4章より一部抜粋)
では何が変ったのか、何が日本人の平均寿命をここまで延ばしたのか、明日もこのお話続けたいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。


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