NO.228 7月29日【火】=地球温暖化=



おはようございます。
「不都合な真実」として2006年に、アメリカの当時副大統領だったアル・ゴア氏が発表したドキュメンタリー映画で、地球温暖化の事実が世界に衝撃を与えましたが、それから約20年が経過し、温暖化の問題はもう無視できないレベルで私たちの生活にさまざまな影響を与えつつあります。未だに温暖化は事実ではないと否定し、温暖化に対する国際的な取り組みに非協力的、あるいはこれを妨害しようとする国やそのリーダーもいますが、地球温暖化はもう厳然とした事実であり、その原因をつくっているのは私たち人間の生活であることも否定しようのない事実です。

自分に火の粉が降りかからないとなかなか行動できない人間の弱さ浅はかさが、この問題の根源なのかも知れません。しかし事態はもう無視できないどころか、具体的にさまざまなところに火があがり、私たちは火の粉をもろにかぶりつつあります。日本は、四方を海に囲まれ、気候も温暖で四季があり、また山地も多いことで、水やさまざまな自然環境が非常に豊かな地勢的な利点がたくさんありますが、それでも温暖化が気候を変え、こうした恵まれた環境がどんどん破壊されつつあります。

まず、直接的に影響が出ているのは、日々の天候です。温暖化が起こしている偏西風の蛇行により、年々気候の幅が大きくなっています。特に温帯域にある日本は、偏西風が北や南に蛇行するたびに、極端な北からの寒気や南からの熱風に煽られ、気候が激甚化してきています。そして今年などはそれにくわえて、海水温の上昇が年々蓄積されて、日本の周囲では4度以上も上昇していることが報告されています。これが今年の夏の異常高温につながっており、また特定の地域への集中豪雨の原因のひとつにもなっています。

そしてもう一つ、海水温の上昇は熱を蓄積することから、年々温度が上がって行く傾向にあり、そこに棲息する魚介類の生態がどんどん変化していると言います。私たちの大切な食糧としての水産物が年々漁獲量を減らしているのです。サンマやサケ、スルメイカやブリ、サワラと言った食卓に毎日のように登場していた水産品がこの10年で激減しています。根室のサンマは10年で5分の1に、函館のスルメイカはおよそ10分の1まで漁獲量を落としています。岩手のサケや、富山の寒ブリ、長崎のサワラなども同様で、日本全国の名産品が失われつつあると言っても過言ではない状況です。一方で、地域には馴染みのなかった魚が登場するケースもあります。例えば、東北の福島でイセエビやトラフグが水揚げされたり、宮城でサバが大漁だったりということが起きています。

明らかに魚たちの棲息場所が北上していると見られ、これは海水温が全体に上昇していることと大きく関係していると言われています。南の魚が北で獲れるようになり、北の魚はさらに北上して日本では獲れなくなっていると言うことです。最近では環境遺伝子と言われる、海水中のさまざまな浮遊物をDNAレベルで解析することにより、棲息する海中の生物を網羅的に調査する技術も発達してきており、間違いなく魚介類の北上が見られるとのことです。

この温暖化による私たちの暮らしへの影響、明日ももう少しお話したいと思います。

今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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