おはようございます。
免疫ミルクは、過去60年にわたる数々の研究により、その有効性やさまざまな疾病に対する効果が確認されていますが、残念ながらその効果に至るメカニズムがすべて解明されているわけではありません。しかしその効果効能のカギとなるのは、間違いなく腸内フローラであり、さまざまな腸内細菌を介してその効果が発揮されていると考えられています。
腸内フローラは私たちの健康維持にとって非常に重要な存在であることは言うまでもありません。そして過去よりその構成を明らかにするためにいろいろな方法が試みられてきました。しかし、腸内フローラは嫌気性菌が多く、最近の培養法でそのすべての構成細菌を決めるのは困難でした。一方で細菌のある特定の遺伝子(rRNA)の塩基配列をシークエンサーと呼ばれる機械で自動的に解読する方法が発明されましたが、それでも腸内フローラ全体の解析には、膨大な時間と費用がかかり研究の進展を妨げていました。
しかし、2008年頃より、従来のシークエンサーの100万倍の解読スピードを持つ種々の超高速シークエンサー(次世代シークエンサー)が実用化され、大量の遺伝子データを情報学と統計学を駆使して解析できるようになりました。この次世代シークエンサーを用いて最近のゲノム・遺伝子配列を網羅的に収集・解析する方法をメタゲノムといいます。この方法で細菌情報と遺伝子(=機能)情報の両方の解析が可能となりました。このメタゲノム解析の結果、腸内細菌は500兆以上1000種類以上いることが分かってきました。
腸内細菌叢は、主にフィルミテクス門(ラクトバシラス属、クロストリジウム属、連鎖球菌属など)とバクテロイデス門(バクテロオイデス属)に分けられます。フィルミテクス門は「デブ菌」、バクテロイデス門は「ヤセ菌」といわれています。ビタミンの合成など機能的な役割を担っているのは、全体の1%に過ぎないプロテオバクテリア門(大腸菌など)が主体といわれています。
私たちの免疫ミルクは、この腸内フローラと呼ばれる500兆にものぼる細菌たちに直接、間接に働きかけることにより、それぞれの細菌たちが持つさまざまな生理的役割を、増強したり抑制したりすることで、さまざまな免疫ミルクの効能効果が発現されていると考えれれています。では腸内フローラの細菌たちが担っている生理的な役割とはどのようなものがあるのでしょうか。明日もこのお話続けたいと思います。
今日も一日頑張ってゆきましょう。
よろしくお願いします。


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