NO.207 6月19日【木】=トクホと機能性表示食品③=

おはようございます。
火曜日からこの話題でお話してきましたが、2015年にはトクホの簡易版ともいうべき機能性表示食品という制度ができ、こちらはトクホの認可制とは違い届出制をとっており、現在までに7,000件弱の届出がなされていると言います。トクホは約1,000件ほど認可されているそうですから、ハードルが下がった分対象商品は増えていると言えますし、スーパーやコンビニなどの棚にもこうした製品を良く見かけるようになりました。

まずトクホとの違いは、前述のとおり届出制であるため、トクホのような厳しい内容の審査はありませんが、なんでもかんでも届出ればよいということではなく、届出に必要な書類や資料が規定通りにしっかり準備されていないと、届出が受理されないのでそこは一つの歯止めにはなっています。しかしトクホのように安全性や有効性の根拠として、その成分についての臨床試験データを新たに作成する必要はなく、システマティックレビューと呼ばれていますが、過去の学術文献や資料を整理し、これを論拠として安全性と効能を説明できれば良いとされています。そしてその説明内容も行政が審査するのではなく、届出たメーカーや企業がその内容に責任を負うスタイルになっています。

分かりやすく言えば、トクホは政府が内容を審査してお墨付きを与えますので国が責任を負いますが、機能性表示食品は、政府は内容を審査せず、届出たメーカーや企業がすべての責任を負うというスタイルです。その結果、臨床データなどの作成に費用や時間がトクホほどかからないので、中小のメーカーや企業にも門戸を開いたと言いますが、安全性という食品として最も大切な部分がおざなりになってしまっていたのではと危惧します。現にまだ記憶に新しい事件として、小林製薬の紅麹サプリの事故が世間に大きな波紋を広げましたが、これはまさに機能性表示食品として複数の企業から発売されていた製品群でした。

機能性表示食品にしても、そしてトクホにしてもスタートの発想は、まさに現代日本の超高齢社会において、国民の健康と医療、そして社会保障という大変に重要な社会課題を解決するための、まさに切り札として期待された画期的な理念がそこにありました。しかしながら、現在までトクホや機能性表示食品の登場によって、国民の健康生活はどれほど改善したのでしょうか。確かに国民全体の健康志向は間違いなく向上してきており、健康意識は世界でも高いレベルにあると思います。しかしながら、そこにトクホや機能性表示食品が国民のニーズにしっかり答える形でその期待にそう働きを示しているでしょうか。私は、ほぼその役割を果たせていないと思います。

その理由は、表示されている機能が、消費者に求められているニーズを全く満たしていない。あるいは意味不明の機能をご託のごとく書き並べられても、本当に期待した効能や効果が見えてこないのだと考えます。つまり全く痒いところに手が届いていないのが、現在のトクホであり機能性表示食品なのだと思います。なぜそうなってしまったのか、それはまさにトクホと機能性食品のスタート時の議論に戻りますが、食品には診断、治療、処置、そして予防といった医学的な表現は認めない、暗示させる表現すらNGという絶対的な線引きがなされており、ここを超えることがトクホも機能性表示食品も許されていないからに他なりません。

そこに、当時野本教授が、トクホ制度を見限った理由があります。国民が自分の判断で自分の健康を守ることができるためには、正しくわかりやすい情報提供が必須であるにも関わらず、トクホの制度は、その分かりやすい情報提供を否定してしまったのですから、まったく意味がなくなってしまったというわけです。私たち免疫ミルクのグループはこれからもその壁に対して、独自のスタイルと方法でチャレンジを続けますし、口コミこそがその解決策になると信じています。

今日もサステナ飲んでがんばりましょう。
よろしくお願いします。

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