NO.186 5月9日【金】=トランプ関税交渉=

おはようございます。
新しいローマ教皇を決める選挙、コンクラーベが4回めの投票で決しました。新しい教皇に選ばれたのは、ロバート・フランシス・プレボスト枢機卿で、初のアメリカ出身のローマ教皇が誕生しました。267代目のローマ教皇となったプレボスト氏は、レオ14世と名乗ることが発表され、サンピエトロ大聖堂前でその決定の瞬間を固唾をのんで待ち望んでいた多くの信者からは、大歓声と拍手が巻き起こりました。

史上初のアメリカ人ローマ教皇の誕生に、さっそくトランプ米大統領はこの上ない栄誉であるとのコメントを発表し、記者団に対しては、早急にレオ14世との面談を設定する意向を示しています。コンクラーベの直前にローマ教皇に扮した画像をSNSに投稿し、世界中のカトリック信者などから批判を浴びたほか、「私が教皇になりたい」と冗談交じりに発言して物議を醸していましたから、はたしてすぐに面談が叶うのかは疑問ではあります。

一方、トランプ大統領が世界に混乱を巻き起こしている関税政策ですが、最初の交渉相手であったはずの日本より先に、英国が米国との交渉において概ね合意に至ったとのニュースが世界を駆け巡りました。内容の詳細までは、まだ公表されておらず、今後も交渉が継続するようですが、最大のトピックであった自動車関税が、25%から10%に引き下げられることになった模様です。そして優遇税率には、年間10万台までという枠が設けられることになりそうです。日本や他の国々にも一律に課される自動車関税は25%が4月から実行されており、ここまで日本との交渉においても全く譲歩を見せなかった米国が、初めて英国との交渉において、税率を下げて合意をした模様で、今後の各国との交渉に大きな影響がありそうです。

英国は、日本や中国とは違い、米国から見れば貿易収支が黒字の国であることも考慮されている可能性が指摘されています。しかし、ジャガーやランドローバーと言った英国製自動車は、米国向け輸出額の27%を占める大きな品目であり、今回の25%関税発動によって輸出停止を余儀なくされていましたから、風向きが大きく変わりそうです。日本は、英国に後ろから追い越されたような状況ではありますが、英国とはさまざまな貿易環境や事情も違うため、焦ることなく独自の外交交渉を進めて行くべきと考えます。英国を前例にして、自動車関税が10%に下がったとしても、これまで日本は2%台の非常に低率の関税で米国に輸出してきた経緯があるので、そう簡単には行かないでしょうし、安全保障の問題も絡んで非常に厳しい交渉となっているため、時間をかけてもじっくり取り組むほうが、得策であるとおそらく政府担当者も判断しているのだろうと思われます。

ただ、トランプ関税が日本の経済環境に与える影響は、すでにそこかしこに現れつつあり、その意味では早く事態が解決の方向に向かい、自由で開かれた貿易環境を世界が一日も早く取り戻せるように願いたいですし、日本の国益は間違いなくそその方向にしかないと思いますので、ぜひ石破首相や赤沢大臣の手腕と今後の交渉に期待しましょう。

今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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