おはようございます。
NPO法人老いの工学研究所理事長の川口雅裕氏が「老い上手」という新しい著書を発表されました。川口さんは、当社主催の講演会に二度ほどご出演をいただき、会員の皆さまにもなじみのある非常に楽しいお話をされる方です。兵庫県神戸市のご出身で、京都大学教育学部から株式会社リクルートコスモスで、組織人事および広報のお仕事を長年担当されてきましたが、退社後人事コンサルタントを経て、15年前から高齢社会に関する研究活動を開始、老いの工学研究所を立ち上げられた方です。
過去には、「なが生きしたけりゃ居場所が9割」(みらいパブリッシング)や「年寄りは集まって住め~幸福長寿の新・方程式」(幻冬舎)など、高齢期をいかに健やかで、楽しく豊かにすごすためのヒントがたくさん詰まった、読むだけでも楽しくなる本を書いてこられた方です。昨年東京と福岡で行った講演会では、関西弁の軽妙なトークで聴衆を笑わせながら、でも日本の高齢社会の本質的な問題を指摘し、きちんとその対策として今日から実践できるたくさんのヒントを教えてくださいました。「幸福長寿を実現するためにもっとも大切なもの」というテーマでご講演をいただきましたが、サステナも大切なものの一つに挙げていただきました。(2024年12月25日サステナ日記NO.120参照ください。)
今回の新作「老い上手」は、作家で僧侶の家田荘子さんとの対談形式になっており、実際に2023年から2024年に行われた家田さんと川口さんのトークショー6回分を一冊の本にまとめた内容になっています。家田さん自身は、ご存じの方も多いと思いますが、「極道の妻たち」や「歌舞伎町シノギの人々」など、数々の話題作を発表された人気作家であると同時に、高野山本山の布教師を務める僧侶として、不定期ではありますが、奥の院や金剛峯寺で法話を行うなど、現在も旺盛に宗教家として活動されています。
そのお二人のトークショーの内容から、豊かな高齢期を迎えるための珠玉のメッセージがびっしりと詰められており、読み進めるほどに笑いあり、涙あり、手を打って頷きたくなるお話がたくさん込められた、本当に貴重な一冊だと感じました。年齢を理由にしないで生きる、良いことも悪いことも「自分持ち」、99は自分の努力、と語る家田さんの人生観は、宗教家であり作家である以前に、一人の人間として現代の社会において、如何に生きるべきか死ぬべきか、たくさんの共感が得られる体験をさせてもらえる本でした。ご興味がある方は、ぜひお読みいただきたい一冊です。
「老い上手」 僧侶と高齢期の研究者が語り合ったこと
発行:PHPエディターズグループ
著者:家田荘子(作家・僧侶) 川口雅裕(老いの工学研究所理事長)
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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