NO.160 3月18日【火】=鼻ちょうちん=

おはようございます。

花粉症のシーズンがピークを迎えています。春はスギ・ヒノキを中心に多くの花粉が飛散し、特にアレルギー症状がひどくなる時期です。北海道を除く、すべての都府県で飛散量が急増しており、例年に比べても四国・近畿では2倍近い量になっています。花粉症のつらさは、目のかゆみからくしゃみ、鼻水、そして皮膚にも炎症を起こします。室内に入っても簡単に症状は治まらず、一日中不快な状況に悩まされることになります。

ところで、花粉症による鼻水は、透明で粘性の低いまさに水のような液体ですが、私たちが子どものころ、昭和の時代のガキ大将や漫画に登場する子供たちは、緑っぽい青鼻や、黄色っぽい粘性の高い鼻汁を垂らしていた記憶があります。居眠りしているシーンの漫画表現は、必ずと言ってよいほど、鼻ちょうちんが描かれ、今でもその表現法は普通に通用しています。実はこの話題、先週放映されたNHKの「チコちゃんに叱られる」という番組でも取り上げられていましたが、実際に鼻ちょうちんや、青っ鼻というのは、いまではほとんど見かけなくなっています。

果たして青鼻や鼻ちょうちんはどうして見かけなくなったのでしょうか。鼻ちょうちん自体は、漫画表現で知っているものの、実際に見たことはないという若者も多いようですが、ひと昔前は確実に存在していました。俳句の世界では冬の季語として扱われ、また江戸時代の浮世絵や戯画にもその原型ともとれる誇張表現が見られると言います。

鼻ちょうちんは、鼻水が寝息で風船のように膨らむ状態ですから、かなり粘性のある鼻汁であることが必要ですし、明らかに鼻づまりを起こしている症状が想定されます。これは鼻の粘膜(副鼻腔)が細菌に感染することで炎症を起こしている状態であり、そのために鼻水が粘性を持ったり、膿を含んで黄色く変化したりしているということです。昭和の時代は、花粉よりもホコリやカビといった空気中の浮遊物が多かったことも影響していると言われています。細菌やウイルスが今より空気中にうようよしていたのは間違いなく、子どもたちは、常にその脅威にさらされ、鼻や喉が感染の入り口として、免疫の最前線になっていたのだろうと考えられます。

青鼻や鼻ちょうちんを膨らます、昔の鼻たれ小僧は外部からのウイルスなどの侵入を鼻で防衛していたのかもしれません。鼻ちょうちんは生体防御反応だったのです。しかし現在は衛生環境が改善したこと、薬などの開発が進んだこと、そして栄養状態が良くなったこともあり、感染防御の主戦場は鼻という呼吸器の粘膜だけでなく、消化管粘膜など、さまざまに広がってきたのかもしれません。免疫力としてはひと昔前より強化されたと考えたいところですが、過保護によって逆に弱体化している面を指摘する専門家もいます。いずれにせよ、感染症との闘いは終わりのないイタチごっことも言え、私たちは日々、免疫力の維持と強化を心掛けた生活をしてゆくことが肝要なのだと思います。

今日も一日サステナ飲んでがんばりましょう。

よろしくお願いします。

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