NO.137 1月31日【金】=AIで老後を図々しく生きる=

おはようございます。

過去にも何度か取り上げた精神科医・和田秀樹先生の新著「AIを賢く利用して老後を図々しく生きる」から、その内容の一部をご紹介します。先生は、厚かましくAIを利用すれば、老後は楽に生きられると断言します。老化予防の常識を覆すような大変に興味深い内容ですので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

ここ数年AIの進化が急速に進んでおり、私たちの生活や社会に革命をもたらしています。この革命の中で、特に高齢者の生活には、さまざまな可能性とチャンスが広がっていると言います。例えば、AI技術を利用した健康管理や介護支援、コミュニケーションツールの活用など、AIが生活の質を向上させる手助けをしています。AIの普及で働き方や社会のルールが変わることで、高齢者が自分らしい生き方を追求し、社会参加を図るためには、図々しさが必要なのだと先生は説いています。

AIの活用が進むと、人の暮らしや常識は大きく変わります。たとえば掃除一つとっても、ロボット掃除機の登場で大きく変わりました。かつては掃除機をかけたり、ほうきで掃いたり、つまり掃除は人間が体を動かして行うことが当たり前でした。年をとって腰痛が気になっていても、「自分がやるしかない」とがんばっていた人もいるでしょう。それが、今やソファに座ってテレビを観ている間に、ロボット掃除機が勝手に掃除をしてくれる時代です。AIを使った商品が増えれば増えるほど、ラクできることは増えていきます。「苦労は買ってでもしろ」なんて言われて育った世代は「ラクをすること」に抵抗があるかもしれませんが、そうした固定観念は捨ててしまったほうがよいと先生は言います。

世の中が便利になると、自分で考える機会が減ってボケが加速するのではないか?そんな疑問も浮かびますが、生活全般が便利になれば、新しい刺激を受ける機会が格段に増えるはずです。今まで行けなかったところへ行ける、新しい生きがいが生まれる、できなかったことができるようになる。「人生を楽しめている」という喜びは、脳を活性化させます。それこそ、自動運転の車いすで好きなところへ自由に行けるようになれば、感動的な景色を見たときに、「もっと景色を堪能するために、がんばって歩いてみようかな」なんて気になるかもしれません。

ちなみに、自動車の免許を返納すると、6年後の要介護率が2.2倍に上がるというデータがあります。普通に考えれば、車を運転したほうが歩く機会が減って足腰が弱ってしまうはずですが、実際には逆の結果が出ているのです。実際、車が必需品となっているような田舎暮らしの高齢者と、車を必要としない都会暮らしの高齢者では、田舎暮らしのほうが元気に見えます。

田舎暮らしの高齢者は車によって行動範囲が広がり、おのずと社会参加の機会が多くなります。対して、都会暮らしの高齢者は足腰が弱ると途端に外に出なくなってしまい、結果として心身ともに衰えが加速してしまうのです。毎日、同じリズムで生活し、同じお店で買い物をして、同じ作家の本ばかり読んでいる。そんなルーティン化した生活は、脳には退屈なものです。特に前頭葉は、ルーティンなことをしてもさほど活性化しないことがわかっています。車のようにAIを上手に活用して生活に刺激を加えれば、前頭葉の活性化につながり、ハツラツと楽しい人生を送れるはずです。AIを使う大事なポイントは、「自分がイキイキできるか」ということです。

ここまで読んでくると、AIとうまく付き合うことで老化防止はもちろん、生活そのものの活性化にもつながることが見えて来ます。それは私たちのサステナ事業とも深く関連する部分ですので、次回もこのお話を続けたいと思います。

今日も一日頑張って行きましょう。

よろしくお願いします。

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