NO.133 1月24日【金】=DEIを廃止する米国=

おはようございます。

DEI(ディー・イー・アイ)とは、企業経営において注目されている言葉で、「Diversity(ダイバーシティ)」「Equity(エクイティ)」 「Inclusion(インクルージョン)」の頭文字をとったものです。多様性や公平性を尊重し、誰もが受け入れられる包括的な組織や社会を実現しようとする取り組みを指します。企業のDEIへの取り組みは米国を中心に過去数十年にわたり、企業文化の中で重要なテーマとなってきました。DEIを推進することで、企業は創造性を高め、革新を促進し、競争力を強化することが出来るとされています。

しかし、今回のトランプ氏の大統領就任に呼応するように、米国のいくつかの大手企業がDEI目標の縮小や廃止を発表しています。その代表例が、マクドナルドの2025年末までの多様性目標撤回です。この変化は、企業の社会的責任や多様性推進の方向性に大きな影響を与える可能性があります。トランプ大統領の下で、いったい米国企業に何が起きているのでしょうか。日本の社会への影響はどうなるのでしょうか。

まず、DEIの3つの要素についておさらいです。「Diversity(多様性)」とは、個人や集団に存在するさまざまな違いのことです。年齢や性別、セクシャリティ(性的指向)、人種、国籍、民族、宗教、障がいなどの違いにかかわらず、すべての人にとって心地よい居場所があることを意味しています。

「Equity(公正性)」とは、公平な扱い、不均衡の調整を行うことで、私たちは一人ひとりが異なるため、全員が能力を発揮するには、一人ひとりに合った環境を整えることが重要という考え方です。

「Inclusion(包括性)」とは、一人ひとりの多様性が認められ、誰もが組織に貢献できるということを意味します。グローバル化が進み、異なる文化背景を持つ同僚と働く機会が増える中、企業には多様な人財が活躍できる場を提供することが迫られています。

こうした考え方、方針に対してトランプ政権は大統領令によって、連邦政府にその廃止を命じたのです。DEIをバイデン政権が強制した違法で道徳に反する差別的プログラムと断じ、関連の部署や役職を廃止するよう指示したのです。さらに「性別は男女のみ」とし、ジェンダーに関する多様性促進政策も廃止するよう命じました。この米国におけるDEI見直しの傾向は、今後も広まって行く可能性が高く、日本でもDEIを見直す企業、機運が高まるかも知れません。

しかしながら、注意すべきは、米国のDEIには半世紀以上の歴史があり、各企業が積極的にこれを推進してきた結果、一部で行き過ぎた状況が生まれたと考えるべきで、それを少しより戻すというフェーズに入っているのだと思います。今回のトランプ大統領の政策に反応した面は大きいのでしょうが、企業側にも見直す理由はあったと考えられます。ただし、それは米国の事情であって、日本の事情は異なります。日本の社会は、まだやっとDEIが始まったという状況であり、より戻すほどDEIは進んでいないというのが現状です。日本の社会としては、米国に流されずDEIはどうあるべきかをしっかり見据えた対応を期待したいと思います。

今日も一日サステナ飲んで頑張りましょう。

よろしくお願いします。

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