おはようございます。
7月3日から、1万円、5千円、千円の3種類の紙幣のデザインが変わりました。すでに多くの方がご存じの通り、新しい紙幣の顔が、それぞれ渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎になった以外にも、さまざまな変更と工夫がなされているようです。3日当日は、日本銀行や東京証券取引所などで、新紙幣発行の式典が行われ、メディアでもその様子が伝えられました。日銀植田総裁はそのあいさつで、本日1兆6千億円の新しい日本銀行券を世の中に送り出すとし、キャッシュレス化が進む中でも、現金はだれもが安心して使える決済手段として、わが国経済を支える潤滑油になると、その自信と期待をにじませました。
市中の各銀行でも、新紙幣を待ち望む人たちが朝から両替の列を作り、活況を見せていました。窓口の混乱を避けるためか、一人10枚迄との制限をかけたり、また両替の対応は翌日4日からとした店舗もあり、20年ぶりの新紙幣発行に人々の関心が集まった一日になりました。
気になる新紙幣の新しい顔とデザインですが、一万円札の顔が福沢諭吉から渋沢栄一に変わるとのことで、渋沢栄一にゆかりが深い東京証券取引所では、それぞれの出身地である大分県中津市と、埼玉県深谷市の市長が出席し、新旧一万円の引継ぎ式なる式典も開催されたとのことです。福沢も渋沢も、ともに日本の近代化に貢献した人物であり、彼らが重視したのは官主導ではなく、民主導、そして経済の実学主義、人材育成の大切さは現代にも通じる精神的支柱になると、中津市の奥塚市長は述べていました。近代日本の基盤を築いた二人の偉人を称えるあいさつでした。
一方デザインでは、券面に掛かれた数字が、3種類の紙幣すべてでイメージが一新されています。フォントが変わったこともありますが、まず漢数字の表記より、洋数字が大きく目に入るようになっています。これはインバウンドの外国人が増えていることに対応したものだそうで、さらに1万円札と千円札でも数字のフォントを変えて、取り違えないようにと工夫されています。また目の不自由な人にも判別できるように紙幣の触感も変えていると言います。もちろんホログラムなどの新技術も採用されており、絶対偽造は出来ないと関係者は自身たっぷりに語っているそうです。
しかしながら、すでに各所で問題も起きており、新紙幣に対応できない券売機やセルフレジなどが、今後の消費活動にどのような影響を及ぼすのか、不透明な部分も残っています。街のラーメン屋さんや銭湯などは、従来の券売機が新紙幣対応に追いついておらず、旧紙幣への両替を行う手間が増えることになります。また券売機の変更や新規導入には、新たな費用負担も生じるため、多くの経営者は二の足を踏まざるを得ない実情もあると言います。新紙幣対応に費用をかけるくらいなら、一気にキャッシュレスへの対応を考えるお店も増えていると言い、ますます現金ばなれが進む契機になると分析する専門家も多いようです。
確かに、現金よりカードやポイントなど、キャッシュレス決済のほうが、釣銭などの対応も必要なく、新紙幣の発行が、かえってキャッシュレス化を促進するという皮肉な状況になっていることは非常に興味深いものがあります。これも時代の流れであり、20年後は完全キャッシュレスになっていたとしたら、新紙幣発行というイベントは、今回が最後になるのかも知れませんね。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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