おはようございます。
大正製薬から今年発売された、究極のやせ薬、内臓脂肪・腹囲の減少薬「アライ」ですが、その効果や副作用など、実際にダイエット目的の医薬品としての性能を検証してみたいと思います。分類としてはあまり聞きなれないのですが、要指導医薬品と言われるカテゴリーで、医師の処方箋を必要とする医療用医薬品(処方薬)とネットを含む薬局で自由に購入ができる一般用医薬品(大衆薬)とのちょうど間に位置するカテゴリーと考えればわかりやすいかと思います。
要指導医薬品とは、一般用医薬品と同様に薬局で購入が可能ですが、薬剤師などの対面での説明や指導が必要な医薬品とされています。つまり一般用医薬品と同程度の高い安全性が予想はされるが、いまだ十分には確認できていないために慎重に扱われるべきというレベルなのだと理解すればわかりやすいと思います。かつて医療用医薬品として使用されていた医薬品が、長年の使用実績である程度安全性が確認され一般用医薬品に移行した、いわゆるスイッチOTCと呼ばれる医薬品がこのカテゴリーに分類されています。具体的にはロキソニンやクラリチンなどよく耳にする商品がたくさんありますが、これらのスイッチOTCも移行直後は要指導医薬品とされていました。
さて、本題の内臓脂肪減少薬「アライ」ですが、その主成分はオルリスタットという物質で、腸内で脂肪分の分解吸収を担っているリパーゼ(脂肪分解酵素)という消化酵素の働きを阻害する作用があります。食事として摂取された脂肪(油分)が、腸で消化されないので、吸収もできずにそのまま便とともに排出されてしまうということです。データによれば、食事として摂取した脂肪の25%~30%が消化されずに排泄されるとのことです。つまり食事中の油分の約3割をなかったことにできるというわけです。これにより内臓脂肪を減らし、ポッコリおなかの解消につなげることができるとしています。
これまでダイエット目的のサプリメントや、痩せるための製品はたくさんありましたが、医薬品として販売を許可されたのは、日本ではこのアライが初めてと言われています。もちろん糖尿病や高血圧、脂質代謝異常による極度の肥満症(BMIが35を超える)に対しては治療薬として認められた医薬品がこれまでもありましたが、医師の処方が必要な医療用であり、一般には買えないものでした。以前も取り上げたことがありますが、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる医薬品などは、本来糖尿病の治療薬として販売許可されているもので、ダイエット目的に使用することは目的外使用にあたり、当然保険適用はされません。一部のクリニックではダイエットを標ぼうして自由診療の範疇で使用されているケースが目立ちますが、非常に危険な行為であることは間違いありません。
その点、今回のアライは、要指導医薬品ではありますが、処方箋なしで薬局で購入ができるという点で画期的であり、また安全性も一定程度はしっかり担保されていると言えるので安心度は高いと言えます。では、その効果はどうなのでしょうか。副作用はないのでしょうか。そのあたりを明日も引き続き検証してみたいと思います。
今日も一日頑張って行きましょう。
よろしくお願いします。

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